夜の公園でリザ･ホークアイに抱きしめられながら、ウィンリィ・ロックベルはどうしてこんなことになったのだろうと、ぼんやり考えた。
エドとアルについてセントラルにやって来て、リザと再会して、一緒に食事をして……きっとあの時リザが止めるのも聞かずにワインを飲みすぎたせいだ。
――あたしがヘンなのは、きっと酔っているせいだ。
リザが髪を撫でてくれるのが心地よい。お返しにウィンリイもリザの髪を撫でる。
ワインを飲みすぎて、帰り道でなんだかふわふわして、気が遠くなって。
気がついたら公園のベンチにいて、リザが覗き込んでいた。
車を呼ぶからとリザが言って、置いていかないでと、しがみついて目と目が合って……どちらからともなくキスをした。
――あたしはヘンだ。
「ごめんなさい……厭だった？」
そう言われて、かぶりを振る。
――ピアスの似合う美しい女性(ひと)。はじめて会ったときから、あこがれていた。
「宿に帰る？ それとも……」
少しのためらいのあとに問いかけが続く。
「私のアパートに来る？」
連れていって――と答えようとしたとき、誰かが近づいてくる気配がした。
リザが緊張した表情を見せる。
「失敬、先客がいたか」
近づいてきた人影がいった。
背景素材は月楼迷宮からお借りしました。